ソーシャルメディア時代のクライシス・マネジメント

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3 Crisis Survival Lessons for the Social Media Age」という興味深い記事がMashableに掲載されていたので、重要だと思ったポイントを自分なりにまとめてみた。

まず結論からいうと、ソーシャルメディア時代にクライシスが起こった際に、もっとも重要なのは以下の3つ。

  • ネット上でタイムリーに情報を提供すること
  • 公開できる情報がない場合でも対策が施されていることを公開すること
  • 真摯に情報を提供すること

ネットが一般的になり「リアルタイムウェブ」が浸透しつつある昨今、情報収集の手段として、まずはネットで探すユーザが増えている。そして、ソーシャルメディアを介して情報を共有する、そんなユーザたちが「力」を持ち始めている。そんななか、雑誌、TVなどといった既存メディア向けの対策と同様に(またはそれ以上に)ネット上での対策が重要になっている。

企業はもちろん、ウェブに関わる人々(制作会社や広告代理店も)も、それを強く意識してウェブサイトを作り運営していかなければならないのだと思う。

勝手な噂が流れて大切な顧客を不安にさせないためにも、ウェブでの透明で正確な情報提供は企業が果たすべき最重要、最優先の責任・責務の1つになりつつあるのだと思う今日この頃でした。

以下、「3 Crisis Survival Lessons for the Social Media Age」の本文から重要だと思った部分を抜粋、翻訳してみました。

トヨタのリコールについて (Size Doesn’t Matterセクションの3段落目より抜粋)

Individuals who align themselves with brands online do so for a reason. If kept informed, these individuals are a willing and enthusiastic first line of defense both online and off. Yet with each passing day of the Toyota recalls, these audiences quickly grew more concerned for themselves and their families than the brand they trusted and treasured. The messages they needed weren’t there for them in the places they look to first.

訳)
個人が(Facebookでファンになったり、Twitterで良いことをつぶやいたりして)ブランドに寄り添うのには理由がある。継続して情報が提供されていれば、オンライン/オフライン問わず、これらの個人は喜んで熱意を持ってブランドを擁護してくれる第1の防衛戦になってくれただろう。しかし、トヨタのリコールが発覚してから、彼らは信頼し大切にしてきたブランドの心配よりも、自分たちや家族の心配をし始めた。彼らが必要としていたメッセージが、彼らが第1に探しに行く場所になかったからだ。

Johnson&Johnsonのリコールについて (What Got You Here, Won’t Get You Thereの3段落目より抜粋)

Of course it isn’t always possible to offer a solution in the first hours of a crisis, but it is essential to at least assuage consumer fears by acknowledging the problem and affirming that all that can be done is being done. Silence only raises more vexatious questions from consumers, the media, regulators, and increasingly, online communities.

訳)
もちろん、クライシスが起こった後すぐに解決策を提供するのは必ずしも可能ではない。しかし、問題を認識し、できることがすべて行われていることを顧客に確約し、彼らの不安を緩和することは最小限必要なことだ。「静寂」は、顧客、メディア、規制者やオンラインコミュニティに、「煩わしい疑問」を生むだけだ。

結論より抜粋

In a crisis, consumers need honest answers and they need them fast –- and no messaging vehicle is better suited to meet this demand than those fueling the crisis in the first place. Transparent engagements in the online communities, where your customers already live, provide a credible and direct channel for the answers they need.

訳)
クライシスが起こった際、顧客はすばやく真摯な回答を必要とする。そして、そのニーズを満たすのは、そもそも、そのクライシスを引き起こした場所だ。すでに顧客が滞在するオンラインコミュニティでの透明性のある対話こそが、顧客が必要な回答を提供できる信頼できる直接のチャネルなのだ。

About the author

Rriverのステッカーが貼られたMacBookの向こうにいる自分のMemojiの似顔絵

「明日のウェブ制作に役立つアイディア」をテーマにこのブログを書いています。アメリカの大学を卒業後、ボストン近郊のウェブ制作会社に勤務。帰国後、東京のウェブ制作会社に勤務した後、ウェブ担当者として日英バイリンガルのサイト運営に携わる。詳しくはこちら

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