Apple Watch Series 3,下から見るか?横から見るか?

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2年ほど前にAndroid版のスマートウォッチを試してから、スマートウォッチの進化をずっと待ち続けていました。そして、Series 3が出たのを機にApple Watchを買ってみました。購入してから毎日使って実体験としてのUXを検証しています。使い方やスマートウォッチに求めるものは人それぞれなので1人だけの限定的な検証ですが、せっかく体験中なので書き残こしておきます。

ちなみに、セルラー版ではなくてGPS版です。Appleの新製品発表イベントでは、湖でパドルサーフィンをしながらApple Watchで会話するのをデモしていて感動すら覚えましたが、よくよく考えると「やらないな…」という感じだし。個人的にはまだセルラーはいらないかなぁと思ってます。

そもそも格安SIM を使っているから無理というのもありますが、まだ対応したアプリがそろってないのが大きいですね。1年くらい経ったら端末の可能性を引き出してくれる面白いアプリが出てくるんじゃないかと期待しております。その頃にはMVNOでもeSIMに対応していることを期待して。

では、Apple Watch Series 3のレビュー行ってみます!

下から見るか?横から見るか?

ついパロってみたくなるタイトルだったので。。。まだ映画 は見てないですけど。ドラマ版 の奥菜恵の方がやばいとのウワサです。なにが?

それはさておき「Apple Watchって下から見たらどんなだっけ?」と思ってAppleの製品紹介ページ を探したんですが、写真を見つけられませんでした。裏側も格好いいデザインなのに。買う前にシリーズ3で変更があったか見たかったんですよね。

ということで。。。

Apple Watch Series 3を下から見る

Series 3を下から見るとこんな感じです。

さて、ここからようやく本題に入ります。

Apple Watch Series 3の体験レビューとスマートウォッチの将来の可能性について書いていきます。

スマートウォッチとしての土台がようやく築かれた

僕が2年前に試したのはAndroid版のスマートウォッチだったので比較しにくいところもありますが、Series 3になってApple Watchのスマートウォッチとしての基本機能というかベースが築かれた気がしています。

  • バッテリーが1日以上もつようになった
  • 基本操作がサクサクできるようになった

基本中の基本なんですけど2年前のAndroidウォッチではクリア出来てなかったことですし、Apple Watch Series 2でも、まだ満足行けるレベルではなかったんじゃないかと想像しています。個人的にはSeries 3になってようやくスマートウォッチとしての本当の基盤が整ったんじゃないかと思っています。やっとセルラー版も出たし。スマートウォッチの可能性が引き出されるのはこれからだと思います。

やっぱりフィットネスが一番の目玉だった

Apple Watchを使ってみて1つだけ大きく生活が変わったことがあります。それは健康促進への意識です。アクティビティ・アプリで日常のフィットネスをモニタリングすることで、Apple Watchを使い始めてから以前よりも意識的にというか強制的に健康管理に意識が向くようになりました。

話だけ聞くと「へぇ〜」という感じで、たいしたことじゃないように聞こえるかもしれないですけど、意外にも日常の行動にかなりの影響があるのを実感しています。

腕時計が生活意識を変えるってすごいことですよね。はい。

1分間の呼吸を促される

たとえば、普通に生活してると呼吸をすることだけに1分間集中することなんて皆無でした。ところが、やってみると意外とこれが気持ちいいもんなんですね。呼吸アプリのアニメーションも良く出来ていて気に入っています。

定期的に立ち上がるように注意してくれる

長い間座ったままで過ごしていると、立ち上がって体を動かすように促してくれるんですね。これも作業に集中していたり、ぼーっとテレビを見ていたりすると座りっぱなしになっていることが多いのでありがたいです。

1日のアクティビティが可視化される

わかりやすく、シンプルに見える化するって本当に大切なんだなと実感しました。1日の活動がわかりやすく可視化されるだけで、こんなにも健康に対する意識が変わるもんなんですね。改めてデザイナーとして強く意識しておくべきことだなと実感しました。UIやUXを考える際も同じですね。

この3本の輪っかをコンプリートするために、もう少し歩くように回り道をしてみたり、エレベーターをやめて階段を登ったり。いままでやらなかった、ちょっとした運動をするようになっています。「疲れてるからいいや」という気持ちを「あともう少し。頑張れ!」と、優しくプッシュしてくれるんですね。

たったそれだけなんですけど、それが大きいんですよね。不思議なもので人間の心理なんてそんなもんなんですね。

キラーアプリの存在

Apple Watch(たぶんスマートウォッチ全般にも言える)の一番の売りは、もっぱら健康管理とかフィットネスモニタリングで決定のようですね。いまのところ他にキラーアプリは存在しない気がするし。

キラーアプリと言えば、後でもう少し詳しく書きますけどSuicaはかなりイケてますね。

あとはゴルフコース上で残りの距離を教えてくれるGPSアプリ もスゴイですけど。ゴルフ自体、プレー人口が減ってるみたいだし年齢層が高いからキラーアプリとまでは行かないですね。

アプリはそれほど進化していなかった

小さい画面なので仕方ないのかもしれませんが、Apple Watchのアプリでできることはかなり限定的で、2年前に体験したのとあまり代わり映えしない印象です。

たとえば、LINEアプリでは頻繁に新着メッセージの読み込みが止まってしまったり、返信に使えるスタンプが2種類しかなかったり。

Y!天気アプリでは表示できる地点が1つしか設定できなかったり。などなど。

あと一歩のところが多いです。「これは技術的にも出来そうなのに」と思う機能が実装されてないんですね。端末の性能が追いついていないのか、それとも、技術的な難しさや、そこに割ける開発リソースの制限みたいなのがあるんですかね?

これからの進化に期待したいところですが、アプリ開発者がどれだけApple Watchアプリに力を入れたいかというのは疑問視するところではあります。似たり寄ったりのものが多いアプリ・カテゴリでは差別化要因にできる可能性はあるので、開発が進むかもしれませんけど。

Apple Watchで気に入っているところ

Apple Watchで気に入っているのは以下のようなところです。リストアップしてみたら結構ありましたねw

健康促進に貢献している気がする

上述したとおり健康への意識改善促進には感謝さえしています。まだアラフォーですけど歳をとってきて体がターニングポイントに来ているのを感じるので特にありがたいです。

バンドを気軽に交換できる

普通の時計だとバンドを簡単に替えられないので、これは画期的でした。気分に合わせてバンドが替えられるって楽しいんですね。

サードパーティー製のはAmazonとかで探すとたくさん出てくる ので、僕は3本 ほど大人買い しちゃいました 。それでも、Apple製のレザーバンド1本より少ない値段でそこそこのクオリティーのものが3本買えたので結構満足してます。あくまで個人的な感想ですけど、値段の割にはかなり良かったです。

Suicaが画期的

iPhone 7でモバイルSuicaが使えるようになった時もそうでしたが、Apple WatchでSuicaで支払いが出来るってめちゃくちゃ便利です。自販機に腕時計をかざしたらジュースが出てくるって凄くないですか?笑

初めてやった時は、その場で「おぉ〜」と声を出して感動しちゃいました。

ただ、設定についてはちょっとややこしいところがあります。

たとえば、1枚のSuicaをiPhoneとApple Watchの両方で同時に使うことができないんですね。両端末間での移動は可能なんですが、Apple Watchで使いたかったらApple Watchにカードを移動して使う、同じカードをiPhoneで使いたかったらiPhoneに戻すといったことが必要になります。しかも、なぜかSuica IDが移動のたびに変わってしまうという、さらにややこしいことが起こるらしいです。

仕方がないので、僕はSuicaを2枚登録してiPhoneとApple Watchのそれぞれに一枚ずつ入れています。

あ、あとコンビニだと時計はかざしづらいですね。慣れるまでは、なんか小っ恥ずかしいし。笑

Digital Crownの操作性

昔のソニー携帯のジョグタイヤルが大好きだったので、Digital Crownも大好きです。笑

やっぱりApple Watchの小さい画面ではタッチ操作が難しいときがあるので、Digital Crownとサイドボタンが絶妙に操作性を向上しています。ミュージックのボリュームをDigital Crownで調整するのは気持ちいいとさえ感じます。笑

これもちょっとしたことですけど、使い心地に大きな影響を与えています。

ホーム画面のグリッド表示

使ってみるまでは半信半疑でしたが、実際に操作してみるとなかなかいい感じです。ウニウニ動くのが楽しいし、小さい画面では一覧表示より素早くアプリにアクセスできます。

ちなみに、リスト表示にすると以下のような感じです。

一覧性があってわかりやすいのこっちですけどね。僕はグリッド表示の方が好きです。

文字盤のカスタマイズ

Apple Watchでは文字盤を選べるだけでなく、アプリのショートカット的なものや天気、スケジュールなど、ちょっとした情報表示(コンプリケーションと呼ぶらしい)ができるんですね。

ホーム画面に行かずによく使う機能にアクセスしたり情報が見られるので便利です。

再生中の音楽の操作

イヤフォンにはBeatsX を使ってるんですが、曲戻しをするためには操作ボタンを3回連打する必要があって、それがけっこう難しいんですよね。曲戻しをするのに3〜5回やり直すというのも頻繁に起こります。

Apple Watchをしていると再生中の曲名をサッと確認したり、曲やボリュームの操作が楽にできて重宝しています。僕の場合、これがApple Watchが欲しかった理由の1つです。

ポケットからわざわざiPhoneを取り出さなくても曲名をチェックしたり快適に操作ができるのがありがたいです。

通知のバイブレーション

手首をゆるーくトントンと叩いてくれる感じが心地いいですね。さすがApple。こういうところは絶妙です。

不満なところ

正直言ってあまりないですが、いくつかあえて取り上げるとしたら

  • ちょっと分厚い
  • ウォッチフェイスの選択肢が少ない
  • 使い方に慣れるまでに時間がかかる
  • Apple製のバンドが高い
  • アプリが充実していない

これくらいですかね?

どれもたいした不満ではないですし、3つ目なんかは、どのApple製品にも当てはまる気がします。本来、新しい製品、使ったことのないカテゴリの製品は使い方に慣れるまでに時間がかかるものなんでしょうけど、Appleだと期待値が高いんですかね?少しでも使い勝手が悪いと不満を言いたくなってしまいます。笑

Apple WatchはiPodになり得るのか?

Apple Watchの将来の可能性を考えるときに思い出すのがiPodです。低迷していたAppleが復活できたのはiPodのおかげだと言っても過言ではないので、Apple WatchがiPodの歴史をたどることができるのか?はたまた、iPodの成功をリピートできるのか?と、つい考えてしまうんですね。

自分がiPodを購入したときと、なんとなく状況が似ているようにも思うので、もしかしてApple WatchもじわりじわりとiPodの時のヒットに近づきつつあるのかなと秘かに期待しています。

当時デジタルポータブルミュージックプレーヤー(当時はMP3プレーヤーと呼ばれていた)は他にもたくさんあったのですが、デザインやUIが優れた物があまりなかった。プレーヤーに音楽を取り込むためのソフトも良いのがなかくて、全体としての体験が非常にいけてなかった。その隙間に入り込んできたのがiPodとiTunesだったんですね。

iPodの奇跡

タッチホイールの高い操作性と使いやすいUI、それから、音楽をMacやPCに取り込んで管理するための便利なソフト。iPodとiTunesはCDをMacやPCに取り込んでプレーヤーに入れて、何千、何万曲ものミュージックライブラリを快適に操作して楽しむ。「ポケットに自分のミュージックライブラリを持ち運んで音楽を楽しむ」というユーザ体験を一気通貫して改善することで市場をかっさらって行ってしまったんですね。

AppleがiPod nanoの発売を停止 して、「手首の上で4000万曲をストリーミング 」というのをApple Watchセルラー版の1つの売りにしているのも納得がいくわけです。

iPodと同じことがスマートウォッチというカテゴリでも起こせるのか?先行組のフィットネスバンドやAndroidスマートウォッチの市場を、Apple WatchとAirPodsがかっさらって行くのか、かなり興味深いですね。スマートウォッチ・カテゴリでは2016年後半にいまだにAppleが半数以上のシェアを誇っている らしいのですが、ウェラブルという大きなカテゴリではシェアはまだまだ小さい ので、フィットネストラッキングが強化されたSeries 3で、まだまだ成長の余地はあります。

大きめのスマホ(iPhone 8 Plus)は鞄に入れておいて、たいていのことはApple WatchとAirPodsで済ませてしまう。そんな日常すぐそこまで来てるのかもしれませんね。

iPhone 8 PlusとAirPods買わなくちゃw

About the author

Rriverのステッカーが貼られたMacBookの向こうにいる自分のMemojiの似顔絵

「明日のウェブ制作に役立つアイディア」をテーマにこのブログを書いています。アメリカの大学を卒業後、ボストン近郊のウェブ制作会社に勤務。帰国後、東京のウェブ制作会社に勤務した後、ウェブ担当者として日英バイリンガルのサイト運営に携わる。詳しくはこちら

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