「OS X YosemiteにアップグレードをしたらVMware Fusionが動かなくなった!」と幻滅した方は少なくないのではないでしょうか?僕はその一人です。
VMware Fusionはバージョン3からアップグレードして使ってきたのですが、OSのアップグレード対応のみにお金を払うのが嫌になったので、この機会にオープンソースのVirtualBox に移行することにしました。
自宅のMac用だし、使用頻度もそれほど多くないし、高機能はいらないし。
え?ケチくさい?
えぇ、ケチですみません。。。笑
VMware FusionのWin 7 Home Premium 64bitの移行手順
VMware FusionにはWin 7の64bit版を入れていたので、ここではその移行手順をまとめてみました。ディスプレーの自動リサイズや仮装マシンのディスクサイズの変更で困ったので、それらについても「トラブルシューティング」のセクションで対処法を書いておきます。
BrowserStack やRemote TestKit のようなテスト環境構築が必要のない便利なサービスもありますが、いざという時のためには実際のOSが動かせる仮想環境でテストできるようにしておきたいですよね。
以下、YosemiteにアップグレードしてVMware Fusionが動かなくなって困っている方のお役に立てれば幸いです。
目次
- VirtualBoxのインストール
- Win7のVMDKファイルのコピー
- 新規仮想マシンの作成
- 仮想マシンにGuest Additionsをインストール
- トラブルシューティング
- ディスプレーの自動リサイズが機能しない
- 仮想マシンのディスクサイズが変更できない
VirtualBoxのインストール
VirtualBoxのウェブサイト からファイルをダウンロードしてインストールします。僕がインストールした時点では、バージョン4.3.18 r96516でした。
Win7のVMDKファイルのコピー
VMware Fusionの仮想マシン・ファイル「*.vmwarevm」を右クリックして、「パッケージの内容を表示」させます。
*.vmdkファイルをコピーする
パッケージ内にある*.vmdkファイルを任意の場所にコピーします。VirtualBoxで仮想マシンを作成する際に、この*.vmdkファイルを使います。
新規仮想マシンの作成
VirtualBoxを立ち上げて、「新規」ボタンをクリックして、表示されるダイアログに従って新規仮想マシンの作成をします。
作成画面:その1
名前に「Win7」とか「Windows 7」と入力すると、自動的にタイプとバージョンが選択されました。
作成画面:その2
一番下の「すでにある仮想ハードドライブファイルを使用する」を選択して、先ほどコピーした*.vmdkファイルを選択します。
作成画面はこれで完了です。あとは、設定画面から細かい設定を変更します。
「システム」設定画面
CD/DVDドライブのないMacBook Proにインストールしたので、僕の場合、フロッピーとCD/DVDからチェックを外しました。
「ストレージ」設定画面
ここの設定に手こずったので、少し詳しく説明します。
まず、以下の「コントローラ:SATA」を選択して、右下の「-」ボタンをクリックして削除します。
今度は、「コントローラ:IDE」の右にあるハードディスクアイコンの「+」ボタンをクリックして、先ほどの*.vmdkファイルを選択します。
そして、追加した*.vmdkファイルを「IDEプライマリーマスター」に設定します。
これで、とりあえず仮想マシンが動くはずです。
仮想マシンにGuest Additionsをインストール
仮想マシンを起動すると、ファイルメニューに「Devices」というメニューが出てくるので、そこから「Insert Guest Additions CD Image…(Host+D)」を選びます。これをすると、仮想マシンのCDドライブに「VirtualBox Guest Additions」が出てくるので、そこから「VBoxWindowsAdditions.exe」を実行してGuest Additionsをインストールします。
これで、ディスプレーの自動リサイズも機能するようになります。
僕の場合この手順を知らなかったので、ファイルメニューの「View」の「Auto-resize Guest Display」がグレーアウトしてていて、自動リサイズ機能を使えるようになるまでに結構時間を費やしてしまいました。
トラブルシューティング
ディスプレーの自動リサイズが機能しない
上述したGuest Additionsをインストールすると「View」メニューの「Auto-resize Guest Display」が使えるようになります。
仮想マシンのディスクサイズが変更できない
コマンドラインツールを使うと仮想マシンのディスクサイズを変更できるのですが、VMware Fusionが書き出したVMDKファイルのサイズ変更はできないようです。そのため、以下の手順を踏む必要があります。
- VMDKファイルをVDIファイルに変換
- VDIファイルをリサイズ
- VDIファイルをVMDKファイルに変換しなおす
- Windowsのディスク管理ツールでパーティションを拡張する
※VirtualBoxはVMDKとVDIの両方をサポートしているので、どちらも使えます。
VMDKファイルからVDIファイルへの変換
VirutalBoxをインストールすると、VBoxManageというコマンドラインツールがインストールされます。VMDKファイルからVDIファイルへの変換は、このツールで、以下のコマンドを使って行います。
$ VBoxManage clonehd --format vdi [変換元のファイル名.vmdk] [変換先のファイル名.vdi]
VDIファイルをリサイズ
VDIファイルのリサイズもVBoxManageツールを使って行います。たとえば、20GBにリサイズしたい場合、以下のようなコマンドを実行します。
VBoxManage modifyhd [ファイル名.vdi] --resize 20480
まとめ
以前はVirtualBoxはとっつきにくい感じがして敬遠していたのですが、バージョンが上がって洗練されたからなのか、それほど手間をかけずにWin 7を動かせるようになりました。MacBook AirとくらべてMacBook Proだとサクサク動くし、あとはmodern.ie で他のバージョンのIEテスト仮想マシンをゲットすれば完璧ですね。
英語ですが、以下のサイトを参考にさせていただきました:
- Migrating Windows 7 from VMWare Fusion to VirtualBox — Carlos Sanchez’s Weblog
- How to resize a Virtual Drive — End user forums for VirtualBox
2014年11月8日に公開され、2015年8月30日に更新された記事です。
About the author
「明日のウェブ制作に役立つアイディア」をテーマにこのブログを書いています。アメリカの大学を卒業後、ボストン近郊のウェブ制作会社に勤務。帰国後、東京のウェブ制作会社に勤務した後、ウェブ担当者として日英バイリンガルのサイト運営に携わる。詳しくはこちら。
ウェブ制作・ディレクション、ビデオを含むコンテンツ制作のお手伝い、執筆・翻訳のご依頼など、お気軽にご相談ください。いずれも日本語と英語で対応可能です。まずは、Mastodon @rriver@vivaldi.net 、Twitter @rriver 、またはFacebook までご連絡ください。
はじめまして。
yosemiteでVMware Fusion 5が動かず、検索したところこちらのサイトに辿り着きました。
質問なのですが、「*.vmwarevm」ファイルのパッケージ内容を表示させました。
しかし、「Windows 7 x64.vmdk」などといったファイルが見つからず、「仮想ディスク.vmdk」、「仮想ディスク-s0xx.vmdk(xxには数値が入ります)」と言ったファイルがありました。
それらのファイルを「VirtualBox」で選択してみましたが、開けずエラーが出ました。
対応策等ございましたら、教えていただけないでしょうか。
よろしくお願いします。
はじめまして。
僕の場合、Windows XPで同じように「仮想ディスク.vmdk」と「仮想ディスク-s0xx.vmdk」という複数のファイルがありました。それらのファイルを、すべてパッケージの外にコピーして試してみたら、一応、VMの起動まではうまくいきました。(ネットワークの設定で問題あるので、ただいまやり直し中ですが。。。)
番号が付いていないファイルがメインのファイルのようなので、VirtualBoxで選択するファイルは「仮想ディスク.vmdk」だと思います。
設定がうまくいくこと良いですね