ロゴをデザインする際に参考になる5冊の本

5冊の表紙を並べて撮影した写真

ロゴをデザインさせてもらう機会があったので、ブレスト用にロゴに関する本を図書館で何冊か借りてきて読んでみました。それぞれ違う良さがあったので、それぞれの概要と自分にとって参考になった点をメモしておきます。

特に最初の2冊は蔵書にしたいと思える内容でした。この2冊はいつでも手に取って見返せるようにしておきたい。以下、好きな順で紹介しています。

  1. 日本語のロゴ・メイキング
  2. ロゴデザインのロジック
  3. ロゴデザインのアイデア!
  4. 実例つきロゴのデザイン
  5. 新しい時代のブランドロゴのデザイン

日本語のロゴ・メイキング

ラフやスケッチ、色やフォントの検討案など、ボツ案を含む制作物(提出資料?)が見られる貴重な本です。掲載されている事例は25件ですが、この5冊の中では各事例の制作プロセスが一番詳しく載っています。

普段あまり表に出てこないボツ案なども含めた制作の過程が見られるのは貴重だと思いました。ロゴは見た目もさることながらコンセプトやクライアントと一緒に進める制作のプロセスが大切だと考えているので、個人的にはこの本が一番役に立ちました。

Amazon.co.jpのレビューで「掲載されているロゴの質もそこまで良くない」というコメントがありましたが、個人的には、それよりも大切なことがこの本からは学べると思いました。立案やラフからはじまり、どういった提案をして、なにがボツになり、なにが受け入れられて最終デザインとして残ったのかが見られるのはとても参考になりました。

気になった言葉

「実際に採用されたロゴがどのようなコンセプトで作られ、造形的なブラッシュアップをされていったのか?そのメイキングを25事例紹介します。」(p.2)

ロゴデザインのロジック — 同業者に語りたくなるグラフィックとブランドイメージの関係性とひみつ

アイデア集めやロゴ制作の勉強に役に立つ本です。
65組織のロゴについて、組織の概要、ターゲット設定、ブランディング展開、ロゴのねらい、キーコンセプト、デザインコンセプト、それから展開例が簡潔にまとめられています。ビジュアル・デザインだけでない各社のロゴ制作へのアプローチ方法が載っているので、ロゴ制作のロジックが学べてすごく参考になります。

それぞれのロゴの「ねらい」 → 「キーコンセプト」 → 「デザインコンセプト」の順に読んでいくと、デザインの意図や課題の解決手法がわかりやすく学べます。ロゴを制作する際に必要な観点や視点、コンセプトをどうデザインに落とし込んだのかを具体例を見ながら学べるのは本当にありがたいです。

気になった言葉

「デザインは感性だけで制作するものではありません。『誰に対して、どのような目的でデザインしているのか』という、論理的なねらいが求められます。」(p.2)

ロゴデザインのアイデア! — 実例で学ぶ!! プロのデザインルール&テクニック

800点のロゴタイプやロゴマークが掲載されたデザイン見本集です。デザインテーマ別(勢いのあるロゴ、ひらめきのあるロゴ、表情のあるロゴ、親のあるロゴなど)に整理されてロゴが紹介されています。また、他の4冊にはない「ロゴの基礎知識」というセクションで、ロゴ制作の基本のキ的なことが学べます。すごく基本的な内容ですが、制作プロセスや制作の際の注意点をもう一度整理するのに役に立ちました。

気になった言葉

言葉ではないですが、p.19に載っていたロゴのイメージを2軸のマトリックス型で表したチャート(下図参照)がわかりやすくて良いと思いました。

ロゴのイメージを明確にするための2軸のマトリックス型チャート。縦軸の上に「冷たい・クール」、下に「温かい・親しみを感じる」。横軸の左に「伝統的・安定感」、右に「新しい・スピード感」が配置されており、ロゴのイメージがどこに位置付けられるべきか丸を入れる。この図では右下に丸が入っていて「新しい・スピード感」があり「温かい・親しみを感じる」をロゴのイメージに位置付けている

自分のロゴ制作の際にもクライアントとのイメージ確認のために活用させてもらいました。上図のように、これから制作するロゴのイメージをどの辺に位置付けたいか丸をつけてもらいました。この位置付けをあらかじめクライアントと確認しておくと、細かいデザインの選択や決断の際に指標になって役に立ちます。

実例つきロゴのデザイン

業種カテゴリ別に企業のロゴと展開例が数多く掲載されています。業種ごとにどのようなロゴが制作され展開されているのかが見られます。たくさん掲載されているので、アイディア集めや脳内ブレストに役立ちそうです。また、インタビューのチャプターが2つあって、合計6企業のロゴ制作の過程が詳しく読めます。インタビューではブランディングのどの部分を、ロゴを使ってどのように解決しようとしたのか、また、ロゴがどのようなコンセプトで作られたのかが見られて参考になります。

気になった言葉

「ブランディングにおいてのロゴの役割は、目に見えない価値やイメージを具現化し、消費者とのコミュニケーションツールのひとつとして、広くブランドを浸透させていくことです。」(p. 4)

新しい時代のブランドロゴのデザイン — ダイナミック・アイデンティティのアイデア97

単にロゴマークをデザインするのではなく、現代の情報消費に合わせてロゴをブランディングに有機的に活用する方法が紹介されています。ロゴの「システム」をデザインして、統一されたブランド・イメージを保ちつつも多様なビジュアル・アイデンティティを構築する方法です。ロゴのデザインというよりは、ロゴを中心にしてどのようにブランドの世界観を作れるかが学べる本です。

「システム」を作って、ある一定のビジュアル・ルールを守りながらも、より柔軟に展開されたロゴの事例が多く紹介されています。より高度な手法ですが、共感を得るためのブランディングには効果的だと感じました。

気になった言葉

「『ダイナミック』なVIを作るためには、モーションだけでなく、もっと自由が必要だ。例えば、構成要素のどれかを、次々に姿を変える可変的なものにする。そうすれば、VIはより柔軟になるだろう。固定された構成要素は、ユーザーがブランドを認識する手立てとなる。しかしその一方で、可変的な要素こそが、ブランドに命を吹き込み、進化の余地を生み出すものになり得るのだ。」(p. 10)

About the author

「明日のウェブ制作に役立つアイディア」をテーマにこのブログを書いています。アメリカの大学を卒業後、ボストン近郊のウェブ制作会社に勤務。帰国後、東京のウェブ制作会社に勤務した後、ウェブ担当者として日英バイリンガルのサイト運営に携わる。詳しくはこちら

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