今回はGoogle Adwordsの機能のひとつ、コンバージョン・オプティマイザーについてご紹介。1年ほど前に試したときは結果が出ず、それ以来敬遠していたのですがROI最適化のために再挑戦しているところです。システムが改善されている可能性も大ですしね。そこで、もう一度基本から「いったいコンバージョン・オプティマイザーとはなんぞや?」というのを自分なりにまとめてみました。Google Adwordsの基礎知識を持っていることを前提に書いています。
では、さっそく…
コンバージョン・オプティマイザーってなに?
一言でいうと「コンバージョン獲得単価(CPA)を下げるためのGoogle Adwordsの便利な機能」です。
- コンバージョン獲得単価(CPA)の上限または目標値を設定
- Adwordsが過去のデータをもとに入札を最適化
- 自動的にCPAを設定した値に近づけてくれる
という機能です。
設定価格を超える場合もあるという注意書きはありますが、平均で「コンバージョン数が 21 % 上昇すると同時に、CPA は 14 % 低下しています」と機能紹介ページには書かれています。
なかなか魅力的ですよね?
使用するための条件は?
コンバージョン・オプティマイザー機能は無料で使えるんですが、以下の条件を満たしている必要があります:
- コンバージョン・トラッキングが有効化されている
※コンバージョンのボリュームに関わらず、2週間以上使用していることが推奨とのこと - 各キャンペーンで過去30日間のコンバージョン数が15件以上
- 過去数日間で継続的にコンバージョンを獲得している
参照元: 「The Conversion Optimizer (PDF)」
どんなキャンペーンに使うべき?
これはあくまで推測なんですが、以下の条件を満たしていないと効果は薄い、または、効果を可視化できないために、この機能を使う意味はないと思います。
- 月に少なくとも30〜50件のコンバージョンがある
Googleの条件では過去30日間に15件以上のコンバージョンですが、それだとちょっと少ない気がします。 - コンスタントにコンバージョンがある
そうでないと、設定の微調整や効果検証が難しい - コンバージョン条件に季節要因が少ない
#2同様、そうでないと効果検証が難しい
設定のヒント
前述のPDFに「コンバージョン・オプティマイザーで成功するための10のヒント(10 Tips for Success with Conversion Optimizer)」が紹介されているんですが、そのなかでも気になった4つを意訳してみました:
- 推奨入札価格から始めて、最適スポットを見つけるまで頻繁に価格を調整する
- コンバージョン・データが蓄積されているキャンペーンで使ったほうが良い
- 大き過ぎる変更をしない(たとえば、すべての広告グループを削除して新しくするとか)
- キーワードの追加・削除、ランディングページ・広告の最適化など、小さな変更はするべき
1ヶ月間、試した結果…
昨年12月のはじめにコンバージョン・オプティマイザーを有効にして約1ヶ月。Max CPA(コンバージョン獲得単価の上限値)を設定して変更せずに様子を観ているのですが、年末だったからかなかなか前月との比較が難しい結果でした。これから以下を試してみようと思っています:
- Max CPA(コンバージョン獲得単価の上限値)の上げ下げ
- Target CPA(コンバージョン獲得単価の目標値)に変更してみる
これらの設定の変更の結果、CPA、コンバージョン数、クリック単価、クリック数にどのような変化があるかを検証したいと思っています。
まとめ
LPOでもアクセス解析でも同じですが、リスティング広告も、細かい設定変更をきちんと記録して過去のデータと比較・検証するのが重要だと思います。根気のいる作業ではありますが、逆にしっかり継続すれば必ず結果がついてくるものだと思います。検証はこれからですが、このコンバージョン・オプティマイザーも、どんな結果が出るか今から楽しみです。
2011年1月18日に公開された記事です。
About the author
「明日のウェブ制作に役立つアイディア」をテーマにこのブログを書いています。アメリカの大学を卒業後、ボストン近郊のウェブ制作会社に勤務。帰国後、東京のウェブ制作会社に勤務した後、ウェブ担当者として日英バイリンガルのサイト運営に携わる。詳しくはこちら。
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